1. 慢性腎臓病 CKD
健診で、尿蛋白、クレアチニン高値、eGFR低下を指摘されたことはありませんか。これらの異常が続く場合、慢性腎臓病(CKD)の可能性があります。
日本腎臓学会の「CKD診療ガイド2024」では、日本の慢性腎臓病患者は約2000万人、成人のおよそ5人に1人と推計されています。慢性腎臓病は自覚症状が乏しいことが多いため、尿検査と血液検査で早期に見つけ、経過を確認することが大切です。
◆ 慢性腎臓病とは
慢性腎臓病は、尿蛋白やeGFR60 [ml/分/1.73㎡] 未満の腎機能低下が、3ヶ月以上続く状態です。
一度の検査で異常があっただけでは、慢性腎臓病と確定するわけではありません。脱水、発熱、激しい運動、服用中のお薬などによって一時的に変化することもあるため、再検査や過去の検査結果との比較が必要です。
◆ 慢性腎臓病の特徴
慢性腎臓病には、次のような特徴があります。
- 初期には自覚症状が乏しく、気付きにくい
- 慢性的に低下した腎機能は、元の状態まで回復しにくい
- 尿蛋白が多く、eGFRが低いほど、腎不全や心筋梗塞・脳卒中などの危険性が高くなる
- 進行すると、むくみ、貧血、電解質異常、骨・ミネラル代謝異常などが起こりやすくなる
- 腎機能に応じて、お薬の減量や中止が必要になることがある
症状がないことと、腎臓に問題がないことは同じではありません。検査値の変化を継続して確認することが重要です。
◆ このような方はご相談ください
- 健診で尿蛋白を指摘された
- クレアチニン高値、eGFR低下を指摘された
- 尿蛋白と尿潜血の両方を指摘された
- 以前よりeGFRが低下してきている
- 足や顔のむくみが気になる
- 高血圧症や糖尿病があり、腎機能も低下している
- 慢性腎臓病で通院中で、検査結果や治療内容について相談したい
◆ 当院で行う診療
(1)腎機能と尿蛋白の経過を確認します
健診結果や過去の血液・尿検査、服用中のお薬、家庭血圧などを確認します。
必要に応じて血液検査、尿検査、尿蛋白量の測定などを行い、現在の腎機能だけでなく、これまでの変化の速さも確認します。
(2)原因と重症度を評価します
慢性腎臓病の原因には、高血圧症、糖尿病、糸球体腎炎、尿路の異常、薬剤の影響など、さまざまなものがあります。
尿蛋白とeGFRを組み合わせて重症度を評価し、症状に応じて腹部超音波検査などを行います。さらに詳しい検査が必要な場合は、適切な医療機関へ紹介します。
(3)腎機能の低下をできるだけ抑える治療を行います
血圧、尿蛋白、血糖などを管理し、腎機能の低下をできるだけ緩やかにすることを目指します。病状に応じて薬物療法を検討するとともに、現在服用中のお薬が腎機能に適しているかも確認します。
食事や生活については、病期や栄養状態に応じて、減塩など必要な注意点をご説明します。
(4)合併症と将来の見通しを確認します
腎機能が低下している方では、むくみ、貧血、カリウムなどの電解質異常、骨・ミネラル代謝異常についても確認します。
進行した慢性腎臓病では、eGFRの変化から今後の見通しを検討し、必要な時期に透析などの腎代替療法について説明します。入院検査や治療、透析の準備が必要な場合は、基幹病院と連携します。
◆ 高血圧症・糖尿病との深い関係
日本透析医学会の2024年統計では、新たに透析を開始した方の原疾患は糖尿病性腎症が最も多く、次いで腎硬化症でした。腎硬化症には、加齢や高血圧などが関係します。
腎臓を守るためには、腎臓だけを見るのではなく、血圧、血糖、脂質、体重などを合わせて管理することが重要です。当院では、総合内科専門医・腎臓専門医として、生活習慣病と腎臓病を一緒に診療します。
◆ 当院の慢性腎臓病診療の特徴
(1)腎臓専門医が診療します
eGFRの数値だけでなく、尿蛋白の程度、腎機能の変化速度、原因疾患、合併症などを合わせて評価し、病状に応じた治療方針を検討します。
(2)診療所と基幹病院で連携します
診療所で継続できる検査や治療は当院で行い、腎生検、入院治療、透析の準備などが必要な場合は、適切な時期に基幹病院へ紹介します。
◆ 受診時にお持ちください
お薬手帳、健康診断結果、直近および過去の血液・尿検査結果、家庭血圧の記録があればお持ちください。腎機能の変化を確認するため、過去数年分の検査結果があると参考になります。紹介状は必須ではありません。