1)腎臓専門医による腎・泌尿器疾患の治療
腎臓専門医の診療は、奈良県では殆んど基幹病院しか受けることができません。しかし、当院なら、ご自宅近くで受けていただけます。
当院で対応可能な代表的な腎・泌尿器疾患について、以下の順に簡単にご説明させていただきます。
① 慢性腎臓病
➁ 尿潜血
③ 膀胱炎
④ 尿路結石
➄ 前立腺肥大症
⑥ 過活動膀胱
① 慢性腎臓病
尿蛋白や腎臓の数値が悪いと言われたことはありませんか?それは、ひょっとしたら、慢性腎臓病かもしれません。
慢性腎臓病は、成人の8人に1人がかかっている、頻度の高い病気です。にもかかわらず、「腎臓病は専門性の高い病気」と考えている医師が少なくありません。
慢性腎臓病には、以下のような特徴があります。
・症状が乏しいので、気付きにくい。
・いったん腎臓の働きが落ちると回復しにくい。
・尿蛋白が増えるほど、あるいは腎臓の働きが落ちるほど、透析になるリスクや心臓病になるリスクが増える。
・腎不全に進むと合併症(むくみ・貧血・電解質の異常・骨の病気など)が現れやすい。
・腎臓の働き次第で、お薬の減量や中止が必要になることもある。
これに対して、腎臓専門医による診療の特長は以下の通りです。
・尿蛋白を減らし、腎臓を長持ちさせて、透析を先延ばしにする治療ができる。
・結果的に、心臓病の予防にもなる。
・腎不全の合併症にも対応できる。
・腎臓の働きに応じたお薬の服用方法を提案できる。
ちなみに、慢性腎臓病は糖尿病や高血圧症などの生活習慣病とも関係が深いです。慢性腎臓病の人が透析になる原因は、1位が糖尿病で、2位が高血圧症とされています。腎臓を長持ちさせるためには、生活習慣病の治療も大変重要となります。勿論、当院は生活習慣病の治療経験も豊富です。
➁ 尿潜血
尿潜血を指摘された方に対して、当院では血尿診断ガイドラインに沿って精査を行っております。
まず、問診や尿沈渣(顕微鏡で尿を見る検査)などから血尿を確認します。そして、腎臓内科的な病気による血尿と考えられた場合は、血液検査や腹部超音波検査などで原因を精査します。また、泌尿器科疾患による血尿と考えられた場合は、尿細胞診や腹部超音波検査などで原因を精査します。
③ 膀胱炎
膀胱炎になれば、排尿時痛、頻尿、尿意切迫感、残尿感、尿混濁、下腹部不快などの症状が現れます。特に女性は男性よりも尿道が短いので、膀胱炎になりやすいです。膀胱炎は、細菌が膀胱の粘膜に付着して炎症を起こすことで生じる尿路感染症です。放置すると腎盂腎炎になって高熱や腰痛が出ることがありますので、早めに治療を受けましょう。
当院の院内検尿は、蛋白・潜血・糖だけでなく、白血球・亜硝酸塩などの測定も可能ですので、膀胱炎のより正確な診断が可能です。
④ 尿路結石
尿路結石では、突然の血尿や腰痛などが出ます。腎臓~尿管~膀胱~尿道の尿路に石ができることによって、尿の流れが妨げられたり、尿路が傷ついたりするからです。
当院では、状況に応じて、尿検査、血液検査、腹部超音波検査、レントゲンなどを行って診断します。尿路結石はサイズや腎臓の状態などによって治療方針が検討されます。
➄ 前立腺肥大症
中高年の男性で、頻尿、尿勢低下、残尿感、尿意切迫感、切迫性尿失禁などの症状がある方は、前立腺肥大症が疑われます。前立腺は男性のみに存在し、膀胱の真下の尿道(膀胱内の尿を体外へ排出するための管)を取り囲むように位置しています。前立腺肥大症は、その前立腺が大きくなることによって症状が現れます。
当院では、問診、尿検査、血液検査、腹部超音波検査などを行うことによって診断し、お薬の治療を検討します。たまに尿閉と言って、自力で排尿ができない状態になる方がおられますが、その場合は尿道から膀胱へカテーテルという医療用の管を入れて、尿を体外に排出させる必要が生じます。
⑥ 過活動膀胱
尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁などの症状がある方は、過活動膀胱の可能性があります。過活動膀胱は、膀胱をコントロールする神経の異常によって、突然の尿意を繰り返す病気です。
当院では、問診、尿検査、腹部超音波検査などを行うことによって診断し、お薬の治療を検討します。