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医療は、決して満足度が高いとは言えないサービス業です。 例えば、飲食店なら、美味しい物を味わい、空腹が満たされ、楽しい会話をするなど、高い満足感を得ることができます。しかし、医療機関では、命が救われたら別ですが、高い満足感を得ることは殆んどないでしょう。 そもそも多くの人にとって、健康であることが当たり前で、健康であることに心底から感謝できる人は少ないものです。病気があれば、不満・不安・不快など、精神的にマイナスの状態です。医療機関に行くのは、さらに気分が滅入ります。医療機関でまず求められるのは、したくもないマスク着用です。受診手続きも煩わしく、診察待ちも長いです。ようやく自分の診察が回ってきたとしても、診察時間は短く、充分なコミュニケーションを取るのは難しいかも知れません。検査を受けるにも、血液検査やコロナの検査など、体に負担がない訳ではありません。会計待ちにも時間がかかります。そして、正確に診断され、適切なお薬を処方してもらったとしても、すぐに病気が治る訳ではありません。 また、医療がサービス業とは言っても、我々、医療従事者が患者さんの希望に全面的に沿うことはできません。患者さんの希望に全面的に沿えば、患者さん自身の体に害悪なこと・他の患者さんに迷惑がかかること・院内の管理に支障が生じること・法律違反になることなどがあるからです。 以下、当院で実際にあった具体例をお示しします。
このように、患者さん自身の体・他の患者さん・院内管理・法律なども考えると、まっとうな医療機関ほど、お断りや禁止事項が多くなります。結果的に、患者さんには我慢や負担をお願いすることが増える訳です。 医療機関を受診される患者さんの多くは、何らかの不満があっても、常識的で理性的な振舞いをされることと思います。しかし、その不満を医療従事者にぶつける方も一部存在し、それに対して、我々、医療従事者は毅然と対応しないといけないことがあります。 右の写真は奈良県医師会・奈良県警が作成したポスターです。最近は、暴言・暴力・迷惑行為防止のために、このようなポスターを医療機関の待合いに貼るように推奨されるようになりました。逆に言えば、このようなポスターを待合いに貼らないといけない時代になってきたということです。 また、最近は、医療従事者と患者さんが対等の立場であることを理解していないせいか、従っていただけない方が増えているように思います。お断りや禁止事項を守らない患者さんはずっとタメ口で暴言、それに対して毅然と対応する医療従事者は敬語であっても、その医療従事者のことを態度が大きいと言う患者さんもいます。 そして、前述したように、インターネットを利用した脅迫・業務妨害も増えています。毅然と対応する医療従事者が「クチコミを書き込んで評判を悪くするぞ」などと脅迫され、非常に一方的な内容を書き込まれることがあります。もっともそのようなクチコミを書き込まれても、当院は徹底的に理路整然と反論します。当院としましては、反論に賛同される方だけが来院してくださったら良いというスタンスです。 「患者の方が立場が上だ」「自分の希望は何でも通って当然だ」と考える方に対しては、当院は毅然とした対応を取ります。ゆえに、そのような方は、最初から他の医療機関に行かれることをお勧めいたします。残念ながら、当院は何でも希望に応える経営重視の医療機関ではありません。 |
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