当院では、以下のような事例が実際にありました。
- 血液検査で血中濃度の確認が必要な薬剤を、検査なしで処方するよう強く希望されたため、安全上の理由からお断りしました。
- 受付前で無診察投薬を希望されたため、医師法違反となることをご説明し、診察を受けていただくようお願いしました。
- マスク着用をお願いしたところ、「クライアントに対しその口の利き方は何だ。評判を悪くするぞ」などの威圧的な言動がありました。感染対策のため、診察をお断りしたところ、後日インターネット上に投稿された一方的なクチコミには理路整然と返信いたしました。
- 感染症の症状があるにもかかわらず、感染対策のための別室誘導に従っていただけず、受付前で長時間にわたり暴言が続き、診療が中断するなどしたため、診察をお断りしました。
- 予約外で来院された方が「急いでいるから先に診ろ」などと強く要求されました。当院では、順番通りの対応を原則としていること、またお急ぎの場合は他院での受診もご検討いただける旨を丁寧にご説明しました。
このように、患者さんの安全・他の患者さんへの配慮・院内管理・法令遵守を考慮すると、まっとうな医療機関ほど、一定の禁止事項やお願いが必要になります。
・当院の姿勢
多くの患者さんは、常識的で理性的なご対応をされていることと思います。しかし、一部には、不満を医療従事者にぶつける方もおられ、そうした場合には、感染対策・法令遵守・安全管理など、院内の秩序を守るために毅然とした対応が必要となります。
例えば、医療従事者と患者さんは対等な立場であるにもかかわらず、したがっていただけない方が増えている印象があります。敬語で対応していても、「態度が大きい」と受け取られることもあります。また、インターネット上での一方的な書き込みも増えています。最近では、奈良県医師会・奈良県警による「暴言・暴力防止ポスター」の院内掲示が推奨されるなど、医療現場の安全確保が社会的課題となっています。
当院では、常識的で理性的な患者さんが安心して通院いただけるよう、院内の環境と診療体制を今後も適切に管理する所存であります。